はじめに
看護師がたずさわる内科系疾患といえば、呼吸器、循環器、脳神経などがイメージされやすいです。
しかし、病気というのはレントゲンなどの画像によって見えるような臓器に起こるものだけではありません。
血液検査などを通してやっと判明するようなホルモンや血液、免疫機能といったものにまで及びます。
そこで今回は「病気がみえるシリーズ」の中から以下3つの書籍をご紹介します。
- vol.3 糖尿病・代謝・内分泌
- vol.5 血液
- vol.6 免疫・膠原病・感染症
「病気がみえるシリーズ」とは
病気がみえるシリーズでは、全分野の書籍で幅広い疾患が網羅されています。
関連病棟・外来で働く看護師以外でも知っておきたい知識が満載なので、ぜひチェックしてみてください。
また、本書の出版社が運営する「mediLink」というスマホ・タブレットに最適化されたアプリで、電子書籍としても読むことができます。
自宅以外でも、通勤・通学中にサッと学習することができるのも、魅力の1つと言えるでしょう。
全書籍が時折改定されるため、扱われる疾患も着実に増えています。
以前買ったことがある、職場で初版を読んだことがある、などの読んだ経験のある人でも、知識のアップデートに役立つはずです。
こんな人におすすめ
- 内科系病棟や外来にたずさわる人
- 救急外来やICUなどの超急性期分野で働く看護師
- 国家試験勉強中の看護学生
- 看護師以外の医療従事者全般
「内分泌や血液は目に見えにくくてわかりにくい…」と感じている人には、特におすすめです。
医療にたずさわるスタッフ全員に向けて作られたテキストのため、網羅的に学ぶことができるのも特徴の1つといえます。
「vol.3 糖尿病・代謝・内分泌」
本書で学べる疾患は、「糖尿病・代謝・内分泌」とされていますが、内容は多岐にわたります。
たとえば「糖尿病」と一言で表しても多くの分類があり、以下のように幅広く網羅されています。
- 1型糖尿病
- 2型糖尿病
- ステロイド糖尿病
- 高齢者糖尿病
- ほか、糖尿病合併症も多数掲載
ほかには、以下疾患についてそれぞれ詳しく解説されています。
- 脂質代謝異常
- 過栄養と低栄養
- 尿酸代謝異常
- 骨代謝異常
- 先天代謝異常
- 栄養の異常
- 視床下部-下垂体疾患
- 甲状腺疾患
- 副甲状腺疾患
- 副腎疾患
- 神経内分泌腫瘍
文章だけではイメージしづらい身体の仕組みについて、たっぷりの図を用いて解説されているため、ひと目で理解しやすい構成です。
たとえば「下垂体の炎症性疾患の解説」ページでは、以下のようなポイントが図でわかります。
- リンパ性下垂体炎は妊娠末期・産褥期の女性に好発
(お腹を大きくした女性が苦しんでいる図)
- IgG4関連下垂体炎では、中年の男性に好発
(中年男性の絵が書かれている)
- 上記症状として、頭重感、視野障害などがある
(男性の頭に岩が乗っている、目を閉じてこすっている図)
どんな人がどんな症状を発症していると、どんな疾患が考えられるか、本書を見ておくことで、現場でパッと気付ける可能性が高まります。
患者の状態を瞬時に把握することができれば、医師への報告、患者への的確な処置、後輩への迅速な指示など、様々な場面で役立つでしょう。
「vol.5 血液」
「血液疾患」と一言で言っても、とても幅広いです。
貧血、白血病、悪性リンパ腫などの一般的に知られているような疾患はもちろん、血球貪食症候群、骨髄異形成症候群などのような、看護師でも聞き馴染みのないような疾患まで幅広く網羅されています。
組織・骨髄・赤血球などにも、デフォルメされた表情がある絵で示されているため、漫画感覚でサラッと目を通すだけでも内容が入ってきやすいのが特徴です。
デフォルメ表情が可愛らしいだけでなく、イメージとして頭に残りやすいのがうれしいポイントといえるでしょう。
病棟勤務していると特に実施されることも多い輸血のポイントについても、詳しく解説されています。
たとえば「輸血実施時の注意点」では、輸血前のチェック項目やベッドサイドでのチェック方法、輸血中の観察項目について1ページで詳しく解説されています。
1ページにまとまっていながらも、箇条書きや表を用いた解説、写真や図が掲載され、より実践的な内容です。
「vol.5 血液」では、いくつかのページに掲載されいているQRコードをスマホで読み込むと、病態・生理に関するアニメーションを見ることができます。
血液系疾患についてよりイメージがつきやすいので、ぜひ見てみてください。
「vol.6 免疫・膠原病・感染症」
免疫の章では主にアレルギー系、膠原病の章では膠原病や血管炎症候群についての解説です。
感染症の章では、グラム陽性菌感染症、グラム陰性菌感染症、嫌気性菌感染症、抗酸菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、寄生虫性疾患などについて幅広く解説されています。
外来で診ることの多いものや、自身・家族でも発症する可能性の高い身近な疾患から、入院加療が必要なものまでたっぷり網羅されています。
救急外来や術後感染症などとも関連する内容でもあるので、内科系看護師だけでなく、救急分野で働く看護師も手にとっておきたい一冊と言えるでしょう。
本書では、とくに皮膚へ現れる症状について、実際の患者の写真がたっぷり掲載されています。
患者を診たときに、「この症状は写真でみたことがある!」と気づくだけでも、その後の処置対応をスムーズに進めることに繋がるはずです。
まとめ
今回は「病気がみえるシリーズ」について、以下の3冊をご紹介しました。
- vol.3 糖尿病・代謝・内分泌
- vol.5 血液
- vol.6 免疫・膠原病・感染症
どれも幅広い分野で活躍する看護師におすすめしたい参考書です。
軽く読み進めるだけでも解剖生理や病態をイメージしやすいため、実践にも活かしやすいでしょう。
内科系の疾患・看護についてどう勉強したらいいかわからないと感じている人は、ぜひ手にとってみてくださいね。
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