はじめに
看護師は、解剖生理や疾患について理解し、それぞれの患者にあった看護を提供していきます。
そのためには、看護技術とその手技を行う根拠についても、しっかり学ぶ必要がありますね。
根拠がわからないまま、患者に適さない看護を行うと、医療事故に繋がりかねないためです。
そこで今回は「看護がみえるシリーズ」の中から以下3冊のご紹介です。
- vol.1 基礎看護技術
- vol.2 臨床看護技術
- vol.3 フィジカルアセスメント
「看護がみえるシリーズ」とは
看護がみえるシリーズは、看護師が臨床で行う看護についての手順や知識を解説した参考書です。
豊富なイラストと写真を用いた解説本なので、経験のない技術でもしっかりイメージを固めやすい内容になっています。
こんな人におすすめ
- 実習中の看護学生
- 新人看護師
- プリセプターナース
ページの半分以上が、イラストまたは写真で埋め尽くされており、文章を読むよりも目でパッとみて理解しやすいように構成されています。
実習や勤務中の休憩時間のようなスキマ時間を使ってサッと予習・復習するのにおすすめです。
「vol.1 基礎看護技術」
本書では、基本の感染予防対策や環境整備にはじまり、移動・食事・清潔・排泄などの日常生活のケア、与薬・罨法・創傷管理といった医療的ケアの方法にいたるまで解説されています。
たとえば、車椅子への移乗介助の手順1つとっても、以下の動作一つ一つが写真付きです。
- 患者の足をベッド側に引き寄せる
- 患者の足を置く位置を決める
- 患者の体幹を支える
- ベッドから立ち上がる
上記動作について、なぜそのように動くのか、根拠もすべてに書かれています。
そのため、実習中や新人研修のときに先輩に根拠を求められたときでも、スムーズに答えが出てくるはずです。
未経験の技術でも、根拠と一緒にあらかじめ写真で動作イメージをしておくことで、緊急のときも落ち着いて対応できるでしょう。
清潔ケアや排泄介助など、その他日常生活ケアにおいても、同じように一つ一つの動作が写真付きなので、ポイントがよくわかります。
また一般的には文章で書かれているだけのことが多い与薬の手順についても、写真や図が用いられているため、ひと目で理解しやすいです。
たとえば、貼付薬を使用するときは、古い貼付剤を取り除いて汚れを拭き取り、新しい貼付剤の日時を記入してから身体に貼る、という手順までもがイラストで示されています。
古い貼付剤を除去するときの注意点や、貼付部位を清拭する根拠についても説明があるため、貼付剤1つ貼るにしても、充分に根拠を理解した看護を行うことができるでしょう。
「vol.2 臨床看護技術」
「vol.2 臨床看護技術」では、採血・注射・輸液・輸血・血糖管理といった注射関連の手技が半数を占めます。
病棟で働く看護師なら、とくに輸液を取り扱うことが多いですが、滴下速度の計算方法について、計算式からしっかり理解している人は少ないのではないのでしょうか。
本書では、滴下数の計算式や早見表はもちろん、成人用輸液セットの図を用いて滴下数計算の考え方がわかりやすく解説されています。
「計算と言われるとよくわからないから早見表を使ってる…」と頭を抱える看護師もたくさんいますが、滴下速度の実態を理解していると、輸液管理が適切に行えるだけでなく、後輩指導も的確に行うことができるでしょう。
注射関連の手技について、正しい手順が解説されているだけでなく、トラブル発生時の事例写真やイラストもあるため、いざというときに慌てず対処するにも役立つはずです。
本書は、注射関連の手技以外にも、吸引・酸素療法・栄養管理・侵襲を伴う排泄ケア・救急蘇生法についてもしっかり網羅されています。
全手技について写真やイラストでの解説があり、やはりイメージトレーニングしやすいので、これら手技について1つでも自信がないものがあれば、ぜひ手にとってみてください。
「vol.3 フィジカルアセスメント」
フィジカルアセスメントとは、問診・視診・聴診・打診・触診によって患者を観察・アセスメントする技術です。
基本のバイタルサインはもちろん、以下部位ごとのアセスメント方法について詳しく解説されています。
- 頭頸部
- 呼吸器系
- 循環器系
- 腹部
- 乳房・腋窩
- 直腸・肛門・生殖器
- 脳神経系
- 筋骨格系
他書と同じように、図や写真たっぷりの解説に加え、スマホやパソコンを使って手順や音声などが確認できる付録つきです。
一例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 血圧測定の方法に関する手順や異常所見の動画
- 呼吸音・心音の異常がわかる音声
- ROM測定Webシミュレーターで直感的に測定角度がわかる
QRコードをスマホで読み込むだけで、全付録を見聞きすることができます。
本を読むのは苦手意識があると悩んでいる人でも、直感的な操作で技術やその根拠が身につくでしょう。
経験のない手技もイメージしやすいため、実習中の学生から新人・中堅看護師まで幅広くおすすめです。
まとめ
今回は「看護がみえるシリーズ」について、以下の3冊をご紹介しました。
- vol.1 基礎看護技術
- vol.2 臨床看護技術
- vol.3 フィジカルアセスメント
看護師であれば、自分が行う看護技術の根拠や注意点をしっかり理解しておきたいところです。
本シリーズは、軽く読み進めるだけでも手技手順や異常時の対応などについてイメージしやすいため、実践にも活かしやすいでしょう。
パッと見てわかる看護技術に関する参考書を探している人は、ぜひ手にとってみてくださいね。
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