こんにちはhirotaka0793です。
薬剤師として現場に入ったものの、大学で勉強をした内容が中々現場で活かせないと悩んでいる人も多いと思います。その理由は薬学部で勉強することと、薬剤師として臨床の現場で必要とされることが違うことが原因の一つです。
薬学部では、薬は薬、病気は病気と分けて勉強を行います。しかし、実際の医療現場では薬の知識だけ、病気の知識だけでは役に立たず、それぞれの知識を融合させることが大切です。
知識が確立されていない状況で現場に出てしまうと、患者さんに重大な不利益を被らせることにも繋がりかねません。
今回は、若手の薬剤師向けに薬学部で学んだ内容を臨床現場で活かせる知識にするために参考となる本を厳選して紹介していきたいと思います。
- おすすめ本一覧
- 医薬品集
- 同種同効薬比較本
- この患者・この症例にいちばん適切な薬剤が選べる 同効薬比較ガイド1 第2版
- この患者・この症例にいちばん適切な薬剤が選べる 同効薬比較ガイド2 第2版
- 違いがわかる!同種・同効薬 改訂第2版
- 続 違いがわかる!同種・同効薬(改訂第2版)
- 続々 違いがわかる!同種・同効薬 改訂第2版
- 類似薬の使い分け第3版〜症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる
- 漢方薬使い分けの極意―マトリックスでわかる!
- 臨床トレーニング・模擬症例本
- 薬剤師の臨床センスを磨くトレーニングブック 薬トレ 感染・がん
- 薬剤師の臨床センスを磨くトレーニングブック 薬トレ 循環器
- 薬剤師の臨床センスを磨くトレーニングブック 薬トレ 肝・腎
- 薬局 2019年3月増刊号 特集 「 薬トレ ―薬剤師の臨床センスを磨くトレーニングブック― 」
- 症例から考える代表的な8疾患 第2版 -解答・解説付-
おすすめ本一覧
医薬品集
医薬品集は薬剤師として、最初に持っておきたい1冊です。様々な書籍がありますが、自分で決めた1冊をボロボロになるまで読み込み、使うということを意識すると、数多くの薬を覚えて、理解することができます。
それぞれの特徴をまとめていきたいと思います。
治療薬マニュアル 2021
医薬品添付文書を網羅した薬剤便覧に、専門家による解説が追加されています。類書の中で「最も詳しい」治療薬辞典の一つです。
治療薬辞典のうち、最も情報が細かく情報が載っていると考えられます。
「図解 薬理作用」として、新薬も含め数多くの薬の作用機序を図で説明されていて、とてもわかりやすいです。
PC・スマートフォン・タブレットなどで電子版・アプリ版を使用することができ、臨床でとても有用です。
今日の治療薬2021: 解説と便覧
臨床で使われる医薬品を薬効群ごとに解説と便覧で構成したベストセラーの本で、由緒ある1冊です。
2021年版では、便覧に、日本産科婦人科学会により「添付文書上いわゆる禁忌の医薬品のうち、妊娠初期にのみ使用された場合、臨床的に有意な胎児への影響はないと判断してよい医薬品」とされている薬剤にマークを追加、先発品にない剤形・規格を持つジェネリック医薬品の情報を掲載し、ますます使いやすく便利になっています。
歴史があるにも関わらず、常に新しいものを取り入れていく姿勢もある知識がアップデートできる一冊です。
治療薬ハンドブック2021 薬剤選択と処方のポイント
治療薬ハンドブックの特徴である「処方Point」と「薬剤Point」には、添付文書+αの情報が記載され治療薬の比較に役立ちます。
処方Pointは処方するときの視点で書かれたポイント、薬剤Pointは治療薬のもつ性格や特徴について書かれています。
また、忙しい業務中にも便利な「粉砕可否」や「簡易懸濁」の情報がひと目わかるように書かれています。特に若手や新人薬剤師には嬉しい、「観察」と「指導」の欄には、患者をフォローアップする大切な情報がまとめられています。
治療薬の最新動向、使用のポイントや注意点、適応外使用の情報まで臨床に役立つ情報を把握できます。
もちろん、アプリで薬の情報をみることもできます。
Pocket Drugs (ポケット・ドラッグズ) 2021
治療薬を薬効ごとに分類し、その冒頭に第一線で活躍する医師による「臨床解説」が掲載されています。
「薬剤情報」では「選び方・使い方」、薬剤選択・使用時の「エビデンス」がコンパクトに解説されています。
目的の情報がすぐに見つかるフルカラー印刷で、主要な薬剤には製剤写真も掲載されています。
臨床現場で本当に必要な情報がまとめられているため、ぜひとも白衣のポケットに入れておきたい1冊ですね。
同種同効薬比較本
実際の臨床現場で医師から問い合わせが多い事項としては、薬の切り替えや相互作用の相談など、〇〇系と似ている薬なのにどういうところが違うのかという情報です。
医師へ処方を提案する際も類薬への理解が欠かせません。
今回は類薬を学習する上で参考になる本を紹介していきたいと思います。
この患者・この症例にいちばん適切な薬剤が選べる 同効薬比較ガイド1 第2版
薬効群ごとに各薬剤の違いやその特徴をわかりやすく解説されている上、ひと目で違いを確認できる「比較一覧表」もついています。
患者ごとの症状や既往歴、服用薬や生活習慣などに合わせて、いちばん適切な薬剤は何か、また効能・効果は同じでも使用を避けるべき薬剤は何かを、的確に判断できるようまとめられています。
睡眠薬、抗不安薬、抗精神病薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、パーキンソン病治療薬、抗認知症薬、非ステロイド性抗炎症薬、不整脈治療薬(Naチャネル遮断薬)、β遮断薬、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬/アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、利尿薬、脂質異常症治療薬などについて書かれています。
この患者・この症例にいちばん適切な薬剤が選べる 同効薬比較ガイド2 第2版
「薬を服用して副作用があらわれた。代替薬はどれ?」、「もう少し効果がマイルドな薬はどれ?」、「腎機能が低下している患者に適した薬は?」、「相互作用を回避できる薬は?」など、日常の薬物治療におけるさまざまな疑問や判断を要する場面で役立ちます。
比較ガイド1と合わせて勉強することで幅広い知識を身につけることができます。比較ガイド1の次の本はこちらで決まりです。
PPI・H2ブロッカー、制吐剤、吸入ステロイド、過活動膀胱治療薬、インスリン、ビスホスホネートなどについて記載されています。
違いがわかる!同種・同効薬 改訂第2版
同種同効薬がどのように選択されるのか、どのような違いがあるものかをまとめてある1冊です。
日常業務に役立つ、メモなども充実しており、薬の違いを説明したり、医師へ処方提案をしたりする際などに参考になる1冊です。
3冊シリーズの1冊目です。
脂質異常症治療薬やカルシウム拮抗薬、睡眠薬、αグルコシダーゼ阻害剤などの記載がされていて、病院や薬局でよく見かける疾患の治療薬が最も記載されている一冊です。
続 違いがわかる!同種・同効薬(改訂第2版)
3冊シリーズのうちの2冊目です。
抗不整脈やパーキンソン薬、糖尿病薬、抗悪性治療薬などの時々困ることが多い薬剤の使い分けが載っている一冊です。
続々 違いがわかる!同種・同効薬 改訂第2版
続々違いがわかる!同種・同効薬 [ 黒山 政一 ] 価格:2750円(税込、送料無料) (2021/3/27時点) |
3冊シリーズのうちの3冊目です。経口抗菌薬や経口抗ウイルス薬、抗結核薬、抗結核薬、利尿剤、胃腸機能調節薬などが載っている一冊です。
類似薬の使い分け第3版〜症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる
類似薬を比較しながら、患者に応じた薬の使い分けが学べることが特徴です。豊富な症例と処方例があり、模擬症例を通して、症状や患者背景に応じた薬の使い分けのコツがわかります。
疾患別に薬の系統と類似薬が一覧できる便利な分類図もついていて、さっと確認することにも使えます。
高血圧や心疾患、消化器疾患、呼吸器疾患など幅広くコンパクトに学ぶことができる一冊です。
漢方薬使い分けの極意―マトリックスでわかる!
患者さんの状態に合わせて処方するべき漢方薬がマトリックスからひと目でわかります。
実虚などの証が詳しくわからなくても漢方薬を選択できるように大変参考になる1冊です。
漢方薬がよく使われる疾患・症状を厳選して掲載されているので、すぐに活用できることができる1冊です。
漢方を学びたいが時間がない方へおすすめしたい一冊です。
臨床トレーニング・模擬症例本
忙しい業務の中ですが、患者さんの薬について考えることが十分にできないこともあります。
自分が関わったことのない分野の勉強を行う際に、模擬症例があるととても勉強になります。
臨床能力をあげることができる本としてトレーニング本のおすすめをあげていきたいと思います。
薬剤師の臨床センスを磨くトレーニングブック 薬トレ 感染・がん
薬剤師の臨床センスを身につける「薬トレ」の感染・がん編です。
感染領域、がん領域各100症例を取り上げ、臨床現場でよく遭遇するものから対応に悩むものまで、様々なシチュエーション・難易度の問題が掲載されています。実際に感染・がんの患者さんは突然対応しなくてはいけなくなることも多く、いつかのために勉強しておくことが大切です。
現場の薬剤師の自己研鑽・スキルアップに役立つだけでなく、薬学教育においても実践的な知識・スキルが身につけられる問題集です。
薬剤師の臨床センスを磨くトレーニングブック 薬トレ 循環器
薬剤師の臨床センスを身につける「薬トレ」の循環器編です。高血圧、心不全、虚血性疾患、不整脈、脳血管疾患など臨床現場でよく遭遇するものから対応に悩むものまで、さまざまなシチュエーション・難易度の問題が掲載されています。
循環器疾患は経過が長く、薬局や病院で長期に経過をフォローすることも多いと思います。
新人・若手のうちに、模擬症例で数を経験することで、なんでこんなことまで知ってるのと羨ましがられる様な、デキる薬剤師さんになれると思います。
薬剤師の臨床センスを磨くトレーニングブック 薬トレ 肝・腎
薬剤師の臨床センスを身につける「薬トレ」の肝・腎編です。肝臓・腎臓領域の疾患や、肝・腎機能に基づく最適な薬物療法について、さまざまなシチュエーション・難易度の問題が掲載されています。
薬物動態に関連する模擬症例も多く、薬物動態の理解をするためにも参考になる1冊です。
薬局 2019年3月増刊号 特集 「 薬トレ ―薬剤師の臨床センスを磨くトレーニングブック― 」
薬剤師が関係する可能性がある、肝疾患・腎疾患・がん・感染・高血圧・心不全・虚血性疾患などを幅広く学ぶためにおすすめできる1冊です。
小児や妊婦、高齢者などに関する模擬症例もあり、個別の薬トレには載っていない症例や分野も収録されていますので、最初の1冊におすすめです。
まず初めの一歩を踏み出したいならこの1冊で決まりです。
症例から考える代表的な8疾患 第2版 -解答・解説付-
平成25年度に改訂された薬学教育モデル・コアカリキュラムに準拠した実務実習では、公平で幅広く参加・体験できる実習を目的として、全ての実習生がどの施設でも標準的な疾患について広く学べるよう代表的な8疾患が提示されました。
その代表的な8疾患の設問を考えることで、実践的な臨床対応能力を身に付けることができるようになっています。
各章では当該疾患にかかわる基礎問題と処方箋ベースの症例問題(CASE)で構成されています。実務実習受入施設における教材や、振り返りのための自己学習用として使用できます。
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Pocket Drugs (ポケット・ドラッグズ) 2021
この患者・この症例にいちばん適切な薬剤が選べる 同効薬比較ガイド1 第2版
この患者・この症例にいちばん適切な薬剤が選べる 同効薬比較ガイド2 第2版
類似薬の使い分け第3版〜症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる
薬剤師の臨床センスを磨くトレーニングブック 薬トレ 感染・がん
薬局 2019年3月増刊号 特集 「 薬トレ ―薬剤師の臨床センスを磨くトレーニングブック― 」
まとめ
若手の薬剤師向けに薬学部で学んだ内容を臨床現場で活かせる知識にするために参考となる本を厳選して紹介しました。
忙しい日常業務に追われながらも、知識をつけ、患者さんに還元していくためには効率的に知識をアップデートすることがとても大切です。
今回紹介した本などを有効活用して、さらに知識をアップデートしていきたいですね。
今後も、医療従事者という尊い仕事を全うしている皆さんの『行動』の原動力となる記事をupしていきます。
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