内科学の成書を持とう
内科に進んだ医師やこれから内科に進もうというレジデントが必要な知識を身に着けていくのに使用する本は色々あると思います。
いろいろな分野について要点をまとめてくれているようなマニュアル本や(例えば、抗菌薬の使い方の参考書や当直のマニュアル本などです)、わかりやすく噛み砕いた表現を使ってくれる本がやはり人気な印象です。
これらの本はその時に必要な情報を短時間に得るためには非常に有用で、即戦力として働きを期待されるようになってきた研修医の先生にとっては必携です。
一方で内科学の成書には手が伸びにくいという人も多いかもしれません。
しかし内科学を体系的に記述している成書はこれから長く内科医を続けていくにあたってとても良いツールになります。
内科学を体系的に記述している成書を一つ持つことはとても重要なことなのです。
内科学の成書は?ハリソン内科学 第5版がおすすめ
筆者はハリソン内科学 第5版を使用しています。
業務の際に非常に頼れるツールであるハリソン内科学 第5版の良さと、ハリソン内科学 第5版をどのように使用しているかを紹介していきます。
ハリソン内科学 第5版の良いところについて
だいたいの病気がのっている
ハリソン内科学 第5版に限らず内科学の成書のメリットの第一として挙げられると思います。
「あまり知らない疾患を持つ患者の担当になり、とりあえずスマホなどで病名を調べてみたがあまり有益そうな情報がない。」このような経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
そのようなときにはハリソン内科学 第5版などの成書があれば、疾患概念について最低限の知識が手に入ります。
病態生理が詳しく書いてある
必要な知識が羅列してあるコンパクトな本は強い味方ですが、それだけで診療しているとその知識から外れる病態について対応できなくなってしまいます。
しっかりと病態生理を把握することでいろいろな病態に対応できるようになります。
症状が詳しく載っている、細かいニュアンスもわかる
ハリソン内科学 第5版で特に優れていると思うのは、ある疾患で出現する症状兆候がしっかり記述されていることです。
また、ある症状がどれくらいの頻度で出現して、どれくらいの診断的価値があるのかといった細かいニュアンスも含めて記載してあることも優れていることの一つだと思います。
これは他の成書にはない特徴であると言えます。
ハリソン内科学 第5版をどのように使用するか
以上のようなメリットのあるハリソン内科学 第5版ですが、とりあえず購入して頭から通読!というふうにやっていると当然心が折れます。
ではどうしたらいいか、毎日の診療のツールとしての使用方法を紹介します。
知らない病気があったらとりあえず見てみる
インターネットの情報は査読などがされていないことが多いのでまず正しい知識をさっと頭にいれるために辞書のように使用します。
これだけでも多くの知識が手に入ります。
興味のある分野があればその部分を読んで見る
特定の科に興味がでてきた、という場合にハリソン内科学 第5版を持っていればとりあえずその科のページを紐解いてみるといいでしょう。
興味があれば読むのはそれほど苦痛ではなく、むしろ豊富な病態生理の解説で非常に興味深く読むことができます。
更に興味をもったら興味を持った科の専門的な内容を記載した書籍を購入すると良いでしょう。
当然ですがハリソン内科学 第5版は試験対策のための本ではありません。
読者の方の中で学生の方がいらっしゃるとしたら、国試対策という観点で言えば、ハリソン内科学 第5版よりも国試対策のための書籍を使うのが当然効率的です。
そのなかで深めたいと思う領域に出会ったらハリソン内科学 第5版を紐解いてみましょう。きっとこれから入っていく医師の世界に対する興味を増幅させてくれる良い友となります。
おわりに
内科学を究めたい方にとってハリソン内科学 第5版はよきパートナーとなります。
間違いなく長く使っていく参考書ですので、早めに購入するに越したことはないですね。
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