「つみたてNISA」をご存じでしょうか?
「長期・積立・分散」投資を支援するために作られた非課税制度です。
つみたてNISAという名前に聞き覚えのある方は多いと思いますが、
具体的な内容を知っている人は、意外に少ないかもしれません。
そこで、この記事ではつみたてNISAに関する疑問について解説します。
具体的には
① NISAとは?
② NISAの種類について
③ つみたてNISA購入銘柄について
④ つみたてNISAのメリット・デメリット
⑤ つみたてNISAに向いている人
⑥ おすすめしたいつみたてNISA活用方法
の順番でご紹介していきます。
この記事は初心者に分かりやすく解説していますので、
きっとつみたてNISAに関する疑問が解消されますよ!
【コラム】
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NISAとは?
まずはNISAの概略について簡単に説明します。
NISAとは少額投資非課税制度のことであり、投資の利益の一部を非課税にできます。
株式や投資信託のような金融商品の取引において、売却益や配当益が生じた場合、その利益に対して約20%の税金を課せられます。
一方でNISA口座(非課税口座)を利用して取引すれば、金融商品の売却益や配当益を非課税にできるのです。
(但し、購入可能な金融商品及び金額範囲などには制限があります)
NISAの種類について
NISAにはNISA・つみたてNISA・ジュニアNISAの3種類があります。
つみたてNISAの場合、2037年まで利用可能です。
非課税期間は最長20年ですので、2057年まで非課税枠での資産運用が可能となります。
(NISA・ジュニアNISAの投資可能期間は2023年までの予定です)
【表1:NISAの種類と比較】
NISA | つみたてNISA | ジュニアNISA | |
非課税枠 | 毎年120万円が上限(最大600万円) | 毎年40万円が上限(最大800万円)) | 毎年80万円が上限 |
非課税期間 | 最長5年 | 最長20年 | 最長5年 |
投資可能期間 | 2014~2023年 | 2018~2037年 | 2016~2023年 |
つみたてNISAの購入可能銘柄について
つみたてNISAでの購入可能銘柄は、長期・積立・分散投資を前提としているため「公募株式投資信託(投資信託)」と「上場株式投資信託(ETF)」に限定されています。
購入可能銘柄の詳細については金融庁のHPにてご確認下さい。
つみたてNISAのメリット・デメリット
それではつみたてNISAのメリット・デメリットについて解説します。
H3 つみたてNISAのメリット3点
1つ目のメリットは、投資の利益が非課税になる点です。
その非課税枠は毎年40万円が上限(最大800万円)となります。
通常、売却益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座だと非課税対象になります。
2つ目のメリットは、「長期・積立・分散」投資が可能になる点。
したがって初心者でも安定した資産運用が期待できます。
金融商品には必ず価格変動リスクがありますが、そのリスクを少しでも回避するために分散投資が有効です。
分散投資には、大きく3つあります。
【表2:分散投資の種類】
時間の分散 | 購入タイミングを分散し、価格変動リスクを回避できます。 |
資産の分散 | 値動きの異なる複数資産に投資することで価格変動リスクを抑えられます。 |
地域の分散 | 投資先の地域(国)を分散し、より安定的な運用を期待できます。 |
つみたてNISAは時間・資産・地域の分散投資に対応可能。
そのためつみたてNISAは、初心者でも安定した資産運用を期待できるのです。
3つ目のメリットは、貯金感覚で始められる点です。
つみたてNISAの銘柄購入は積立方式のため、まとまった資金は不要。
資金0円でも、貯金感覚で始められます。
またつみたてNISAは決まったタイミングで自動買い付け設定ができるので、手間もかかりません(設定方法については各証券会社HP等でご確認下さい)。
以上のように、つみたてNISAはこれから資産運用を始める初心者におすすめです。
H3 つみたてNISAのデメリット3点
デメリットの1つ目は、購入済の投信信託やETFを、後からNISA口座に移せない点でしょう。
課税口座(一般・特定)で買い付けた投信信託やETFを、後からNISA口座に移せません。
つみたてNISAの口座開設後、新規購入すれば非課税対象となります。
非課税投資を始めたい方は、まずNISA口座の開設から始めて下さい。
デメリットの2つ目は、NISA口座と課税口座を損益通算できない点。
【表3:損益通算の可否について】
ケース1 | 課税口座 | 課税口座 | 損益通算 |
損益 | 〇10万円 | ▼10万円 | ±0万円(損益通算可) |
ケース2 | 課税口座 | 非課税口座 | 損益通算 |
損益 | 〇10万円 | ▼10万円 | 〇10万円(損益通算不可) |
課税口座で10万円の売却益を得た後、10万円の売却損の場合、損益通算可能です。
トータルで売買損益±0万円のため、税金はかかりません。
一方、課税口座で10万円の売却益を得た後、NISA口座で10万円の売却損の場合は損益通算できません。
課税口座に10万円の売却益だけが残り、約20%の税金がかかります。
このようにNISA口座は損益通算できないため、損失が生じやすい短期トレードには向きません。
デメリットの3つ目は、使わなかった非課税枠はキャリーオーバーできない点です。
つみたてNISAの非課税枠は年間で最大40万円。
使わずに残った非課税枠は、次の年に引き継げませんのでご注意下さい。
つみたてNISAに向いている人
つみたてNISAは、これから資産運用を始める初心者におすすめです。
上記の通り、つみたてNISAは長期・積立・分散投資を前提としています。
資産運用が始めてでも、分散投資により安全・安定して運用できるでしょう。
また銘柄購入も、自動買い付けによる積立方式のため手間がかかりません。
加えて、まとまった資金も不要であり、資金0円でも貯金感覚で始められます。
おすすめしたい「インデックス投資+つみたてNISA」
ここからは具体的につみたてNISAを利用した投資手法を解説します。
「どうすれば上手く利益を増やせるの?」と疑問に感じている方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
インデックス投資とは?
インデックス投資は「経済学的に最も正しい投資法」と言われており、世界市場全体に分散投資する投資法です。
ファイナンス理論によると、株価は長期的に経済成長率に収れんされます。
「世界の人口が伸びる限り、それに伴って世界経済も拡大し続け、世界を投資対象とする投資信託・ETFの価値も上昇し続ける」という考え方です。
よって、リスクを抑え最も安全な投資法は「世界全体に投資する投資法」です。
またインデックス投資は非常に簡単でシンプルです。
投資信託・ETFで全世界株式銘柄を購入するだけで始められます。
上記した地域の分散は、まさにインデックス投資そのものです。
インデックス投資+つみたてNISAの組み合わせ
ここでおすすめしたいのはインデックス投資+つみたてNISAの組み合わせ。
「インデックス投資=全世界株式購入」をつみたてNISA口座で実践するのです。
毎月一定金額を「つみたてNISA口座」にて分割購入するだけです。
長期保有が前提であり、細かいことを気にせず、情報チェックの必要性もありません。
「インデックス投資」+「つみたてNISA」との相性は最良です。
インデックス投資の基本は全世界を投資対象にすると言いましたが、
すでに日本株を保有されている場合などは、インデックス投資での全世界株式銘柄と合算すると、日本株の比率が高くなり過ぎる場合があります。
その場合は、日本を除いた銘柄を選択すると良いでしょう。
日本以外の世界中の株式に一度に投資できる銘柄もあるので、ぜひ探してみてください。
「インデックス投資で全世界株式(日本除き)」+「つみたてNISA(分散投資)」での運用がおすすめです。
まとめ
今回の記事の内容をまとめると、下記の通りです。
・NISA口座(非課税口座)を利用した場合、金融商品の売却益、配当益が非課税となります。
・長期・積立・分散投資を前提としているため購入銘柄は、投資信託とETFに限定されています。
・つみたてNISAのメリットは非課税、長期・積立・分散投資、そして貯金感覚で始められる点です。
・つみたてNISAに向いている人は資産運用を始めたい初心者です。
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