債券とは?種類や株式との違い&メリット・デメリットについて
「債券」と聞いて、みなさんはどのような印象をお持ちですか?
・債券はローリターン・ローリスクで手堅い金融商品。
・保険会社や年金を運用しているGPIFなどが大量に購入・運用している。
・自分の資産運用とはあまり関係ない。
などと思っていませんか?
個人投資家には、関係が少ない金融商品と思っている方が多いかもしれませんが、
実際は逆であり、個人投資家こそ持つべき金融商品なのです。
この記事では、債券について詳しく解説します。
具体的には
①債券とは?
②債券のメリット・デメリット
③債券の特徴
④債券市場の現状について
⑤債券を保有する理由(=意味)
⑥債券投資に向いている人
の順番にポイントを紹介します。
この記事は5分程度で読め、債券に関する知識やメリットについて理解が深まると思います。
まずは、ご一読下さい!
債券とは?
① 債券とは
お金を国や会社に対して貸し出す際に、返済期限と利息について約束した有価証券になります。
② 債券の種類
国に対して、お金を貸す場合が国債です(国内であれば日本国債で海外であれば外国債)。
会社に対して、お金を貸す場合は社債となります。
・国内債券(日本国債など)
・外国債券(米国債など)
・社債(会社)
③ 債券投資とは
債券は株と同様に価格は日々変動します。
債券投資とは、債券を購入して利息(クーポン)を得たり、売買差益を狙った投資になります。
実際に債券を購入する場合、まとまった資金が必要となります。
そのため実際に債券に投資する場合は、数万円程度から購入できるETFを利用するのが現実的でしょう。
ETF(上場投資信託)のおかげで、様々な金融商品を簡単に購入~投資ができます。
本当に便利な世の中になったと思います。
債券のメリット・デメリット
債券の3つのメリット
① 毎年利息をもらえる
債券は、償還日(返済期限)まで決められた利息を定期的に受け取ることを約束した有価証券です。
金利変動に関係なく、決まった利息を受け取ることができます。
② 収益性
債券は銀行の定期預金と比べて、はるかに高い金利設定となっています。
また、償還日(返済期限)まで保持すれば額面の金額を受け取ることができます。
債券は株と同じように市場で売買することも可能です。
購入時より、債券価格が上昇していれば、売却することで売買差益を得ることも可能です。
③安全性
債券は金融商品のなかでも、安全性が高い商品です。
価格が変動した場合でも、償還日(返済期限)まで保持すれば、額面の金額は戻ってきます。
債券の発行者がデフォルト(債務不履行)に陥らない限り、利息や元金を受け取れます。
債券の3つのデメリット
債券おける3つのリスク(デメリット)を認識しておきましょう。
① 価格変動リスク
債券は株と同様に、市場にて日々価格が変動します。
市場金利の影響を強く受けやすいため、短期売買においては価格変動により損失が生じる場合があります。
② デフォルト(債務不履行)リスク
デフォルト(債務不履行)とは
債券の発行者(国や会社など)が経済的に破綻することで、元本や利子の返済不能となる状態です。
米国や日本が経済破綻をして債務不履行(デフォルト)となることは考えにくいですが、アルゼンチンの様に過去9回もデフォルトを起こしている国もあります。
特に経済状況の良くない国や財務体質に不安のある会社などの債権を購入する際には注意が必要です
債券格付けを参考にしながら、購入する債券の信用度を事前にチェックする必要があります。
③ 為替リスク
海外の債券は、為替変動により損失となる場合もありますので注意が必要です。
購入する際は、為替リスクを回避するために円建てのETFなどを購入するとよいでしょう。
債券の特徴
債券の特徴を説明するために、まず株と債券の違いについて解説します。
実際のところ、株と債券に大きな違いはありません。
株を持つことは、その会社の株主になることです。
業績によって配当をもらい、また議決権を保有します。
会社が潰れた場合、当然ながら株価は0円(=価値なし)となります。
株を購入して配当を得ることができますが、購入金額に対する配当の割合を配当利回りと言います。
一方、債券を持つことで株主になれる訳ではありません。
国や会社に対してお金を貸し、返済期限と利息(クーポン)について約束します。
その結果、債券の利息(クーポン)が得られますが、その仕組みは株の配当利回りと殆ど同じです。
また株も債券も日々価格は変動しており、どちらも安く買って高く売れば利益になります。
それでは株と債券のどちらを保有するべきなのでしょうか?
ここで比較すべきポイントは株と債券の利回りです。
例として、足元の米国株(S&P500)と米国債で比べると、米国株(S&P500)の方が利回り高いため、債券よりも株の方が買われる傾向にあります。
これは米国FRBによる量的緩和により、米国債を買っているため債券価格が上昇、その結果、利回り(イールド)は低くなり、お金の流れは米国株の方に向かっています。
株と債券どちらを買うのかは、このお金の流れを見て決めることが重要です。
債券市場の現状について
現状、日本国債3年と5年は年利回りがマイナスとなっています(表1)。
【表1:債券価格】
出典:楽天証券マーケット情報より
また欧州各国の債券でも利回りマイナスが目立っています。
これは日本、欧州の中央銀行が量的緩和(国債などの買い入れ)を実施しており、異常な高値まで債券価格まで上昇しており、結果利回りがマイナス圏まで低下しています。
実際に市場では、短期筋と呼ばれる短期投資家を中心に、キャピタルゲイン(売買差益)狙いの債券売買が頻繁におこなわれている状況です。
それでも「将来的に中央銀行が買ってくれるはず」という思惑のもと、高値をさらに買い上げる投資家が溢れており、まさしくバブルの様相を呈しています。
債券を保有する理由(=意味)
それでは、現状、債券を保有する理由(=意味)は何にでしょうか?
その理由は「リスク管理」です。
まずは下記のチャートをご覧下さい。
表2はS&P500の価格チャートです。
記憶に新しいと思いますが、2020年2~3月頃、新型コロナ影響で株価が大暴落しています。
【表2:S&P500チャート】
出典ヤフーファイナンス
一方、表3は米国債ETF(7-10年)の価格チャートです。
S&P500の大暴落とは逆に、米国債券は大暴騰しています。
米国株が大暴落している中、安全資産である米国債に資金が集まり、債券価格は大きく上昇しています。
【表3:iシェアーズ・コア米国債7-10年(ETF)】
出典:ヤフーファイナンス
株価暴落時は、安全資産である債券が買われるため、債券を保有することでリスクヘッジとなります。
長期資産運用を行っている場合、必ず大暴落などに見舞われます(リーマンショックや新型コロナ)。
個人投資家が債券を保有する一番の理由(=意味)はリスク管理(リスクヘッジ)になります。
現状、米国株の人気が高まっていますが、米国株での長期資産運用をお考えの方は、米国債の保有も是非ご検討下さい。
債券投資に向いている人
債券投資は長期資産運用の方に向いています。
償還日(返済期限)まで、債券を保持すれば、額面の金額は戻ってきます。
加えて、株価暴落時のリスクヘッジにもなります。
資産運用が長期になるほど、株価暴落は必ず起こり、避けることは出来ないでしょう。
その時には安全資産である債券にお金が集まり、債券価格は上昇する可能性が高いでしょう。
長期資産運用の方はリスクヘッジとして、全資産の1~3割程度を債券で保有されることをおすすめします。
まとめ
今回は債券について解説しました。
債券とは、お金を国や会社に対して貸し出す際に、返済期限と利息について約束した有価証券です。
債券には、国に対してお金を貸す場合の国債と、会社に対してお金を貸す場合の社債とがあります。
株と債券の仕組みは、ほぼ同じです。
株と債券のどちらを選択するかは利回りで選ぶべきであり、現状であれば株の方が優位です。
また債券は安全な金融商品であり、長期資産運用に向いています。
そのため、株価暴落時には安全な金融商品である債券が買われやすいため、リスクヘッジという強い武器になるでしょう。
長期資産運用をされる方は、総資産の1~3割程度を債券で保有されることおすすめします。
債券は難しいイメージがありますが、その仕組みを理解することで個人投資家の強い味方となります。
是非あなたの資産運用にも債券投資を取り入れてみて下さい。
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