【現役医師監修】通常診療とは異なる?ICUカルテの書き方

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通常診療とは異なる?ICUカルテの書き方

内科の研修をしていくと避けては通れないICUでの業務。

通常の病棟と異なり、重症度が高く、密な管理をしていかなければならないICUでの診療に戸惑いを覚えた経験のある医師は多いのではないでしょうか。病状が重く、刻一刻と変化する患者を見ていかなければならないICUの診療では通常の病棟での診療と異なる点がいくつもあります。カルテの書き方もその一つです。今回は通常病棟でのカルテ記載とICUでのカルテ記載がどのように違うのかを調べましたので見ていきましょう。

カルテの型「By problem」と「By system」とは

通常の病棟でカルテを記載するときに皆さんはどのようにアセスメントを組み立てるでしょうか。

多くの人は疾患や症候、病態ごとにプロブレムを挙げていき、そのプロブレムに対して一つ一つアセスメントをしていくのではないでしょうか。

このようなカルテの型を「By problem」と言います。

しかしICUの患者ではこれだと色々と問題があります。

当然ですがICU患者は重症度が高いです。重症度が高い疾患があると体の他の部位にも大いに影響を与える可能性があります。例えは肺炎で敗血症になり、血圧が下がり、血流の低下から腎不全になり、肝臓の機能も落ちて・・・というように様々な臓器の変化が影響を及ぼし合うことが考えられます。

また状態は刻一刻と変化しているのです。このような患者さんに「By problem」でカルテを記載するとプロブレムが非常に多すぎてアセスメントの抜けや不足がでたりカルテが長くなりすぎて要領を得ない記載になったりします。

このような時には「By system」という型でカルテ記載をするのが適しています。

ここでいうシステムとは臓器ごとの記載となります。具体的な項目としてはABCDE+3Iというのを覚えると良いでしょう。

Airway(気道)

Breathing(呼吸)

Circulation(循環)

Dysfunction of CNS(意識レベルの低下)

Environment(環境)

Infection(感染)、Ion(電解質)、Insulin(血糖値 栄養)

のそれぞれの項目について評価していくというものになります。次の項目で実際に「By problem」と「By system」でカルテを書くとどのようになるのか見てみましょう。

実際にカルテを書くとどんな感じ?

例えは85歳の男性でCOPDがベースにあって肺炎を起こして敗血症になった患者がいるとしましょう。挿管管理が必要となり、それに伴い血圧も下がり昇圧剤を使っています。

腎不全も出ており、血流の低下から肝機能も低下、食事は取れないので中心静脈カテーテルが入っています。

こんな患者を「By problem」でカルテ記載しようとするとプロブレムリストが非常にややこしくなります。

(肺炎、COPD、高齢、敗血症、人工呼吸管理中、低血圧、腎不全、肝不全、中心静脈カテーテル使用中、電解質異常・・・)さらにそれぞれのプロブレムに対して評価を書いて・・・となると書くことはできるでしょうが、嫌になりますね。

「By system」だと、各臓器の状態を系統だって記載すると患者の全体像が浮かび上がるので記載がスッキリします。

この患者の場合だと、

A:気道確保の有無や気道閉塞の評価 

B:人工呼吸器設定とSpO2や血ガスの評価

C:血圧、昇圧剤使用量、尿量、心不全徴候の有無 

D:鎮静剤の使用量、意識レベル

E:ルート類やデバイスの有無

3I:感染臓器の状態、予想される起因菌(感染)腎機能や電解質異常の有無(腎電解質)、投与されている栄養量や血糖値(インスリン)

これらの項目を書くことになります。

臓器ごとの問題がわかればその中でどの臓器の異常が全体の病状を決めるおおもとの以上なのかがわかります。

この患者の場合であれば肺炎、COPDで呼吸不全が起こり、敗血症により血圧が下がりそれにより腎不全と肝不全が起こっている。

意識レベルの低下は敗血症と呼吸不全から来ている可能性が高いです。

つまり肺炎を治療して敗血症性ショックを脱して酸素化を改善すれば多くの問題が解決する!とアセスメントできると言うわけです。

このように複雑な病態の患者には「By system」でカルテを書くことが有効なのです。

おすすめの参考書

カルテ関係全般で最もおすすめなのが医学書院の「「型」が身につくカルテの書き方」です。

「型」が身につくカルテの書き方

「型」が身につくカルテの書き方

通常の病棟のカルテの書き方もICUのカルテの書き方についても解説しています。

ICUの診療を詳細に知りたいという方は中外医学社の「ICUグリーンノート」がおすすめです。

ICUグリーンノート

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カルテのことについても触れていますし、それ以外にもICUとはどのような場所でどのように動くべきなのかがしっかり書かれています。

ICUに行く前に一通り読めばICUに対する苦手意識が払拭できます。

まとめリンク

「型」が身につくカルテの書き方

ICUグリーンノート

まとめ

今回はICUのカルテの書き方を学習してみました。

何かと苦手意識のある人もいるICUですが、ICUでの動き方をしっかりとイメージできれば、ICUでもいい仕事ができるでしょう。

ICUでの働き方イメージをしっかりと持てるように学習してみてはいかがでしょうか。

内科
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