【現役薬剤師監修】これから「抗がん剤」について勉強を始める方へ①

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【薬剤師さん向け図書】これから「抗がん剤」について勉強を始める方へ①

日本の死因第一位である「悪性新生物(がん)」、死因が第一位ということは、罹患している患者さんが多く、苦しんでいる患者さんも多いということだ。がんの治療で使われているお薬が「抗がん剤」。抗がん剤は1種類で使われるものから複数を組み合わせる「レジメン」、経口薬、注射薬もあり、お薬の種類も多岐に渡る。そして、副作用に悩まされる患者さんも多い。

薬剤師として、抗がん剤について勉強を始めようと思ったとき、活用できる図書を今回紹介する。

今回紹介する図書

  • がん診療レジデントマニュアル 第8版
  • がん化学療法レジメン管理マニュアル 第3版 
  • がん薬物療法副作用管理マニュアル 第2版
  • 抗悪性腫瘍薬の院内取扱い指針 抗がん薬調製マニュアル 第4版

がん診療レジデントマニュアル

ポケットサイズのレジデントシリーズ!どのような治療を、どのような患者さんで実施できるかを、根拠論文とともに掲載されている。

がん治療において基礎となる情報が詰まっている一冊だ。

紹介文

がん診療の定本として多くの医療者に現場で重宝されてきたマニュアル、ついに第8版!

昨今、免疫チェックポイント阻害剤等の躍進により多くの領域で標準療法がめまぐるしく塗り替えられている。またがんゲノム診療元年でもある2019年は、がんゲノム医療中核拠点病院・がんゲノム医療連携病院が選定され、保険診療としてがん遺伝子プロファイリング検査が開始された記念すべき年でもある。とはいえ本書の目的は変わらず、第一線の医療者に向けて目の前の医学的事象に対し常に「現実的な最適解」を提示している。

目次

序文

目次

書評

正誤表

1 がん診療と患者医療者間のコミュニケーション
2 がん薬物療法の基本概念
3 臨床試験
4 肺がん・悪性胸膜中皮腫
5 乳がん
6 頭頸部がん・甲状腺がん
7 食道がん
8 胃がん
9 大腸がん
10 肝・胆・膵がん
11 神経内分泌新生物・消化管間質腫瘍
12 婦人科がん
13 泌尿器腫瘍
14 胚細胞腫瘍
15 造血器腫瘍
16 骨軟部悪性腫瘍
17 皮膚がん
18 原発不明がん
19 脳腫瘍
20 がん性胸膜炎・がん性腹膜炎・がん性髄膜炎・がん性心膜炎
21 感染症対策
22 がん疼痛の治療と緩和ケア
23 骨髄抑制
24 消化器症状に対するアプローチ
25 腫瘍随伴症候群,抗悪性腫瘍薬の調製・投与方法と漏出性皮膚障害
26 がん治療における救急処置─オンコロジック・エマージェンシー
27 免疫療法の有害事象

付録1 抗悪性腫瘍薬の種類
付録2 抗悪性腫瘍薬の略名
付録3 体表面積算定表

あとがき
和文索引
欧文索引

Memo 一覧
 ・遺伝子検査におけるインフォームド・コンセント
 ・臨床研究法
 ・リキッドバイオプシー
 ・大腸がんにおけるBRAF V600E遺伝子変異
 ・がん診療連携拠点病院とがんゲノム医療中核拠点病院─がん医療の均てん化
 ・MSI-H/dMMR
 ・遺伝性腫瘍について
 ・CD30陽性末梢性T細胞リンパ腫(CD30+PTCL)に対する初回治療
 ・造血器腫瘍に対するBCL2阻害薬
 ・MicroRNAをターゲットとした薬剤開発
 ・新専門医制度とがん薬物療法専門医
 ・アドバンス・ケア・プランニング(ACP)
 ・マイクロバイオーム

最近では抗がん剤治療のゲノム治療に関しても、とても進歩している。ゲノム診療に関してや、臓器別の癌の治療等についてまとめられている。現場で活用できる内容が詰め込まれている1冊だ。

がん化学療法レジメン管理マニュアル 第3版

抗がん剤療法で切っても切り離せないのが「レジメン」。外来で化学療法をうけている患者さんもいる。そのレジメンについて分かりやすくまとめられている1冊となっている。

紹介文

がん化学療法で役立つ情報を凝縮した1冊、大好評の第3版! 使用頻度の高いレジメン81本を厳選。「支持療法薬を含む投与スケジュール」と「副作用の発現時期」は1つの表で一目瞭然で、概要の把握に最適。エビデンスに基づいた減量・中止規定、具体的な介入事例の情報も充実。付録には「抗がん薬希釈後の安定性」「経口抗がん薬の懸濁可否表」「休薬期間がひと目でわかるレジメンのスケジュール」も掲載。

目次

序文

目次

書評

正誤表

第1章 乳がん
  1 AC(ドキソルビシン+シクロホスファミド)
  2 FEC100(シクロホスファミド+エピルビシン+フルオロウラシル)
  3 TC(ドセタキセル+シクロホスファミド)
  4 TAC(ドセタキセル+ドキソルビシン+シクロホスファミド)+Peg-G-CSF
  5 パクリタキセル
  6 パクリタキセル+ベバシズマブ
  7 トラスツズマブ(ハーセプチン®
  8 ペルツズマブ(パージェタ®)+トラスツズマブ(ハーセプチン®
  9 カペシタビン(ゼローダ®
  10 トラスツズマブ エムタンシン(カドサイラ®
  11 エリブリン(ハラヴェン®
  12 エキセメスタン(アロマシン®)+エベロリムス(アフィニトール®),
      13 パルボシクリブ(イブランス®)+レトロゾール(フェマーラ®),
      14 フルベストラント(フェソロデックス®
  15 ドセタキセル
  16 nab-パクリタキセル(アブラキサン®

第2章 肺がん
 I.小細胞肺がん
  17 シスプラチン+エトポシド
  18 シスプラチン+イリノテカン
  19 アムルビシン(カルセド®
 II.非小細胞肺がん
  20 カルボプラチン+ペメトレキセド
  21 カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ
  22 シスプラチン+ビノレルビン
  23 ゲフィチニブ(イレッサ®),
      24 エルロチニブ(タルセバ®),
      25 アファチニブ(ジオトリフ®
  26 オシメルチニブ(タグリッソ®
  27 ドセタキセル+ラムシルマブ
  28 アレクチニブ(アレセンサ®
  29 ペムブロリズマブ(キイトルーダ®

第3章 大腸がん
  30 FOLFOX±Bev(フルオロウラシル+レボホリナート+
      オキサリプラチン±ベバシズマブ)
  31 FOLFIRI±Cmab±Pmab(フルオロウラシル+レボホリナート+
      イリノテカン±セツキシマブ±パニツムマブ)
  32 CapeOX±Bev(カペシタビン+オキサリプラチン±ベバシズマブ)
  33 レゴラフェニブ(スチバーガ®
  34 トリフルリジン・チピラシル(ロンサーフ®
  35 FOLFIRI(フルオロウラシル+レボホリナート+イリノテカン)+
      アフリベルセプト
  36 FOLFOXIRI±Bev(イリノテカン+オキサリプラチン+5-FU±ベバシズマブ)

第4章 胃がん
  37 カペシタビン+シスプラチン+トラスツズマブ
  38 SOX(S-1+オキサリプラチン)
  39 S-1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)
  40 CapeOX(カペシタビン+オキサリプラチン)
  41 RAM+PAC(ラムシルマブ+パクリタキセル)
  42 ニボルマブ(オプジーボ®

第5章 肝胆膵がん
I.肝臓がん
  43 レンバチニブ(レンビマ®
II.胆道がん
  44 GC(シスプラチン+ゲムシタビン)
III.膵臓がん
  45 FOLFIRINOX(オキサリプラチン+イリノテカン+
      フルオロウラシル+レボホリナート)
  46 nab-パクリタキセル+ゲムシタビン

第6章 婦人科がん
I.卵巣がん
  47 TC+Bev(パクリタキセル+カルボプラチン+ベバシズマブ),
      48 dose-dense TC(パクリタキセル+カルボプラチン)
  49 ドキソルビシン塩酸塩リポソーム製剤(ドキシル®
  50 オラパリブ(リムパーザ®
II.子宮頸がん
  51 RT+シスプラチン
III.子宮体がん
  52 AP(ドキソルビシン+シスプラチン)

第7章 泌尿器がん
I.腎臓がん
  53 スニチニブ(スーテント®
  54 ソラフェニブ(ネクサバール®
  55 エベロリムス(アフィニトール®
  56 テムシロリムス(トーリセル®
  57 パゾパニブ(ヴォトリエント®
II.前立腺がん
  58 カバジタキセル(ジェブタナ®
  59 エンザルタミド(イクスタンジ®
  60 アビラテロン(ザイティガ®
III.膀胱がん
  61 GC(シスプラチン+ゲムシタビン)

第8章 頭頸部がん
  62 RT+シスプラチン
  63 RT+セツキシマブ

第9章 造血器腫瘍
I.非ホジキンリンパ腫
  64 R-CHOP(リツキシマブ+シクロホスファミド+
      ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾロン)
  65 リツキシマブ+ベンダムスチン
II.ホジキンリンパ腫
  66 ABVD(d)(ドキソルビシン+ブレオマイシン+ビンブラスチン+
      ダカルバジン)
III.多発性骨髄腫
  67 パノビノスタット+ボルテゾミブ+デキサメタゾン
  68 ポマリドミド+デキサメタゾン
  69 KRd(カルフィルゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン)
  70 IRd(イキサゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン)
  71 ERd(エロツズマブ+レナリドミド+デキサメタゾン)
  72 DLd(ダラツムマブ+レナリドミド+デキサメタゾン),
      DBd(ダラツムマブ+ボルテゾミブ+デキサメタゾン)
IV.慢性骨髄性白血病(CML)
  73 イマチニブ(グリベック®),
      74 ニロチニブ(タシグナ®),
      75 ダサチニブ(スプリセル®
  76 ボスチニブ(ボシュリフ®),
  77 ポナチニブ(アイクルシグ®

第10章 その他のがん
  78 ゾレドロン酸
  79 デノスマブ
  80 ラスブリカーゼ(ラスリテック®
  81 ペグフィルグラスチム(ジーラスタ®

付録① 抗がん薬の希釈後の安定性
付録② 経口抗がん薬の懸濁可否表
付録③ JCOG共用基準範囲一覧(CTCAE v5.0対応版)

索引

レジメン監査時に活用できる項目や、中止、減量、再開に関する基準なども掲載されている、薬剤師にとって活用できる1冊となっている。

がん薬物療法副作用管理マニュアル

抗がん剤で避けて通れない、患者さんを苦しめる「副作用」、薬の専門家である薬剤師として副作用の管理も仕事の1つだ。副作用管理について分かりやすくまとめられている。

紹介文

重症度の適切な評価、原因薬剤の中止や減量、支持療法の検討に役立つ情報を凝縮!

重症度の適切な評価、原因薬剤の中止や減量、支持療法の検討に役立つ情報をコンパクトに凝縮! 発熱、手足症候群、高血圧など、がん薬物療法時に頻度の高い副作用を対象に、1)原因となりうる抗がん薬、2)評価のポイント(症状・検査値、問診、重症度)、3)抗がん薬以外の原因を考慮すべき疾患・病態、4)対策、5)症例2例(抗がん薬の副作用が疑われた症例、それ以外の原因が疑われた症例)のパターンで解説。

目次

抗がん薬の副作用
2 外来における副作用管理のコツ(副作用を聴く工夫,ケアのポイント)
3 アドヒアランス向上の必要性と方策
4 悪心・嘔吐・食欲不振
5 下痢
6 口内炎(口腔粘膜炎)
7 発熱
8 疲労・倦怠感
9 発疹
10 浮腫
11 関節痛・筋肉痛
12 過敏症
13 手足症候群
14 末梢神経障害
15 視覚異常・流涙
16 心機能障害
17 高血圧
18 間質性肺疾患
19 肝障害
20 腎障害
21 蛋白尿
22 出血性膀胱炎
23 甲状腺機能障害
24 電解質異常
25 高血糖
26 血小板減少

索引

資料

1 副作用と参考になるガイドライン(主なもの)
2 抗がん薬と代表的な副作用(主なもの)
3 「間質性肺疾患に禁忌・慎重投与」の抗がん薬(主なもの)
4 血小板数による投与中止,投与開始(再開)基準

ひとことメモ
1 大腸がん手術と排便

2 グレリン
3 下痢のマネジメント
4 下痢の定義
5 口内炎(口腔粘膜炎)
6 疲労・倦怠感の定義と特徴

7 発疹の定義

8 疼痛評価法

9 過敏症に関する用語
10 外用薬の使用量の目安
11 外用薬の口径は製品によって異なる
12 抗がん薬による眼障害の治療

13 高血圧の定義
14 降圧目標
15 呼吸困難
16 薬物性肝障害(DILI)
17 AKI発症時にはScrの評価に注意!
18 ネフローゼ症候群
19 血尿
20 アレムツズマブ
21 甲状腺クリーゼの診断基準
22 甲状腺機能亢進症と甲状腺中毒症
23 劇症1型糖尿病
24 ペットボトル飲料の糖質含有量
25 血小板濃厚液の適正使用

副作用を評価するポイントや、抗がん剤の種類と副作用発現率などが分かりやすくまとめられている。薬剤師が医師に副作用対策について提案する際にも活用できる1冊だ。

抗悪性腫瘍薬の院内取扱い指針 抗がん薬調製マニュアル 第4版

抗がん剤のミキシングは主に薬剤師が行っている。ミキシングを行う上での注意点、皮膚からの吸収性のデータなど調整時の注意点がわかりやすくまとめられている。

紹介文

5年ぶりの改訂

日本病院薬剤師会による抗がん薬調製の曝露対策ガイドライン

〇マニュアルは写真で解説

より安全に適切に!曝露しない・させない調製手技

〇医薬品集としても使える

注射薬の用法、溶解後安定性等紹介!最新の文献より取扱い危険度を掲載

本書は、抗がん薬の調製ガイドライン(指針と注解)とそれに準じた曝露対策を行うための具体的な手順や各種情報を盛りこんだ実践的なマニュアルからなる1冊です。

注射用抗がん薬の調製、ガウンや手袋の着脱法、抗がん薬の汚染時の対処方法など写真でわかりやすく紹介しています。各注射用抗がん薬も商品名ごとに製剤写真を添えて医薬品情報を掲載しているので抗がん薬の医薬品集としても活用できます。

付録では、注射・内服を含むほぼすべての抗がん薬の取扱い危険度を文献とともに掲載し、調製時に必要となる医療材料や設備等も写真を添えて紹介しており、調製に関わる全ての情報を本書で確認することができます。

本書の推奨手順・設備等と自施設の環境・設備、調製手順書等を照らし合わせ、よりよい調製環境の整備にお役立てください。

抗がん剤の暴露対策としてぜひ読んでおきたい1冊だ。患者さんを治すためのお薬が、自身の暴露に繋がらないように環境、設備などもきちんと整えていく必要性がある。

まとめリンク

まとめ

抗がん剤は多くの患者さんに使われ、多くの患者さんが副作用に悩まされている薬の1つである。薬剤師として抗がん剤について学ぶ必要性は高くなっている。今回紹介した図書を用いて抗がん剤について勉強し、患者さんによりよい医療が提供できるように薬剤師として知識をみにつけておこう。

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