はじめに
様々な科目を回るスーパーローテート方式の研修を行っている研修医の皆さんにとって、「次に回る科の本は何を買えばいいのかわからない・・」という悩みは常に付きまとうと思います。
今回は消化器内科を回る際に用意しておくと役に立つ書籍を紹介していきたいと思います。
消化器内科を回るときに学ぶべきこと
どの科目でもそうなのですが、自分が消化器内科を志望しているのか、そうでないのかによって学ぶべきことは大きく変わって来ます。
消化器内科志望であれば内視鏡の体験や見学なども大事ですが、今回は消化器内科志望ではない研修医でも、消化器内科を回っている間に学んでいくべきことをメインで見ていきたいと思います。
消化器内科以外の医師が消化器疾患に出会う状況として、最も多いのは救急外来です。
救急で出会う消化器疾患には消化管出血や、胆嚢炎、胆管炎、消化管穿孔など、緊急性の高い疾患が多くあります。
救急でこれらの疾患を見落とすと最悪の場合患者の命に関わります。消化器内科を回っているうちにこれらの疾患について確実に診断できるようになっておきたいですね。
とりあえずポケットに入れておける「消化器内科 レジデントマニュアル」
白衣のポケットに入れておける本としては消化器内科レジデントマニュアルがおすすめです。カンファレンスでの言葉の意味がわからないときや、初めて見る処置や検査の前にさっと確認をするのに有用です。
コンパクトさや検索性の高さ、簡潔な記載と、白衣に入れておく本として便利に使える特徴が揃っています。一方で深い内容についてはこの本ではカバーしきれないのでじっくり腰を据えて勉強する際には他の本をあわせて使ったり、余白に研修中に学んだことを書き込んだりという形で使うなど工夫するとより便利です。
メモ帳的に使うと本にはなかなかのっていない細かいtipsをカバーできます。
救急外来の急性腹症に強くなる「ブラッシュアップ 急性腹症」
急性腹症について学ぼうとする人におすすめする書籍の筆頭がブラッシュアップ急性腹症です。
消化器内科を回る人だけでなく救急に関わる人であれば読んで損はない非常に優れた名著です。
まず網羅性が非常に高いという点で優れています。
急性腹症の鑑別の殆どについて言及されており、消化器内科で出会う緊急性の高い疾患についてはこの本で大体カバーすることができます。それぞれの疾患についても診察を開始してから治療方針を決めるところまで詳しく紹介してあります。
この本をしっかり読んでおくと、急性腹症に対する対応や消化器内科にコンサルトするタイミングなどを掴むことができるため、消化器内科での研修が終わっても十分に活躍します。
肝機能障害のアセスメントができるようになる「かならず役立つ!肝炎診療バイブル」
肝機能障害について苦手意識を持っている初期研修医は多いかと思います。
そんな人には肝炎診療バイブルがおすすめです。肝障害を起こす疾患について非常によくまとまっていて、説明もわかりやすいです。
肝障害は日常診療で遭遇することも多く、鑑別に苦慮することもしばしばです。
そもそもどのような原因で肝機能障害が起こるかをわかっていないと苦労することが多いので消化器内科をローテートしている間にこのあたりの情報を整理しておくことは非常に有用です。
まとめ
今回は消化器内科を回る研修医に対しておすすめの書籍を紹介していきました。
消化器内科は緊急性の高い疾患が多く、どの可に進んでも遭遇するような疾患も多くあります。それらの疾患に強くなると日常診療の安定性がぐっと増します。
今回紹介した本を参考にして充実した消化器内科を送ってください。
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